Programmatic DOOHとは

概要

前回のブログでDOOHについて簡単に解説をしました。特に現在主流となっているのがProgrammatic DOOHです。

Programmatic DOOH（Digital Out-of-Home）広告は、デジタルサイネージ広告の配信をプログラムマティックに行う手法です。プログラマティック広告は、リアルタイムデータと自動化技術を活用して、広告のターゲティングや配信を最適化する手法ですが、DOOH広告にもこの手法が適用されています。

近年のAI技術の進化により、サイネージの設置場所、気象情報、オーディエンス情報などを元に、最適な報告配信を行う手法をProgrammatic DOOHと呼んでいます。

Programmatic DOOH

Programmatic DOOH広告では、広告主やメディアバイヤーは、オンラインの広告取引プラットフォームを通じて、デジタルサイネージネットワークへの広告スペースの入札を行います。入札はリアルタイムで行われ、オークション形式で最適な価格で広告スペースが確保されます。

プログラマティックDOOH広告の利点は、以下のとおりです：

1. ターゲティングの精度：プログラマティック広告は、多様なデータソースを活用して、広告のターゲティングをより精確に行います。場所、時間帯、人口統計情報、リアルタイムの環境データなどを考慮に入れ、より適切な広告を表示することができます。
2. 効率的な広告配信：プログラマティック広告は、自動化されたプロセスを通じて、広告の配信と最適化を効率的に行います。広告主やメディアバイヤーは、リアルタイムでキャンペーンを監視し、必要に応じて調整することができます。
3. データ駆動の最適化：プログラマティック広告では、リアルタイムのデータを活用して広告キャンペーンを最適化することができます。広告のパフォーマンスデータや視聴者の反応データを収集し、次のキャンペーンの改善に活かすことができます。

鍵を握るのはオーディエンス情報

実際にサイネージ端末にどれぐらいの関心を引いてもらえるのかと言う効果を測定する必要があります。その鍵となるのがオーディエンスの情報です。誰もいないところにサイネージを設置しても全く効果が期待できませんよね。

どれだけの人が実際にサイネージを見てくれる可能性があるのか？　その人たちはどんな人たちなのか？　男性か女性か？　年齢は？
その時に天気はどうであるか？　どちらの方向に移動しているのか？（駅の方向に向かう人が多い場合と、住宅街に向かう人が多い場合では、広告の内容を変える必要があるからです。）
気温なども大きな要素の一つでしょう。（暑い時はかき氷の広告を、寒ければおでんの広告を）

このようなオーディエンスや環境の情報を把握し、AIにより最適な広告を選んでいくことが、広告の効率を最大化していきます。このような特に人流データを保有しているのが、携帯電話各社であり、鉄道会社です。DOOHを構築を行なっている各社は、携帯電話会社や鉄道会社とパートナー契約を結んでいることが多いです。

TV広告では、ゴールデンタイムの広告枠は効果になりますし、視野枠は安価になります。また、夕刻の子供向け番組帯は子供むけのおもちゃなどの広告配信が優先されます。
同様なことがデジタルサイネージでも行われることになります。

xiboの取り組み

xibo社は独自にXibo Adspaceと言うDOOHのマーケットプレイスを構築しています。現在、徐々にサービスを展開しつつあります。
DOOH Supply-Side Platformのパートナーを展開しており、そのネットワークが拡大されることが期待されています。

現状の問題点

街頭に大きなスクリーンを所有しているオーナーは、コンテンツが集まらなくて困っていると言う話をよく聞きます。（筆者の経験から）
空き時間を埋めるために行政の案内などを無償で流しているケースもあるそうです。
大きな投資を遠なう大型ビジョンの設置にはかなりのリスクを伴っている状況もあります。このような問題を解決吸うためにも、プログラマティックDOOHの導入、普及が重要な選択になることは間違い無いでしょう。

ここにも日本のデジタル化の遅れが、生産性を低下させている要因があるようですね。

最後に

従来の立て看板的なサイネージの利用が、よりダイナミックに、プログラマティックに変化していくことでしょう。

プログラマティックDOOH広告は、広告主やメディアバイヤーにとって、より効果的で効率的な広告配信手法となっています。デジタルサイネージの進化とともに、プログラマティックDOOH広告の採用も増加しています。

そのためにも、多くのデータの収集と蓄積がデジタルサイネージの構築会社には必要となっています。オーディエンス情報の収集と蓄積が大きな差別化となるでしょう。

参考文献

• ■デジタルサイネージにおける『光害対策ガイドライン』運用の手引き　第1版